新事業開発プログラム 1)3-step Innovation の方法論
日本企業に合った、新事業創造の3ステップ
米国のスタートアップの場合、自分たちの追求する事業領域や事業の目的は、最初からクリアです。
しかし、日本企業が新事業開発を考える場合、「まず、どの領域の事業で考えるか」とか「どんな事業をしようか」といった、入口の検討から始めなければならないことが、ほとんどです。
弊社では、この部分の検討を、リーンスタートアップに加える形で、プログラムを設計しました。
弊社のプログラムは、以下の3つのステップを踏んで、新事業を開発していきます。
- STEP1:事業テーマを選ぶ
- STEP2:顧客と提供価値を定める
- STEP3:事業計画をつくる
このステップ全体を仮説検証的に進め、成功しない場合は、またステップを戻って試行(トライ)を繰り返します。
新事業創造の3つのステップ
新事業創造のワークアウトの3つのステップでは、それぞれ以下の検討を進めます。
具体的なプログラムは、右のリンクから紹介しています。
1st Step:検討テーマの選定
1st Step では、まず数多くの事業アイデアを探索・発掘します。
・ 新しい事業アイデアは、技術等の自社のシーズと、市場のニーズの交差点に、新しい事業があります。
・ よいアイデアを出そうと思わずに、たくさんのアイデアを出します。
次に、アイデアから、検討テーマ(Where)を選定します。
・ 市場の魅力度と、自社の優位性でプロットし、有望そうなアイデアを拾います。
・ ほとんどのアイデアは、捨てることになる。拾われるのは、3〜5個くらいです。
この 1st step での検討が浅いと、ダメなテーマで事業計画作成まで引きずることとなり、 成功は覚束ないですが、ほとんどのアイデアは捨てるので、必要以上に時間をかけてもいけません。
また、すでに検討テーマが決まっている場合は、このステップは省略します。
2nd Step:顧客発見・顧客実証
2nd Step で検討する、誰(WHO:顧客セグメント)に、どんな価値提供(WHAT)をするかが、新事業創造の「基軸」です。
これを徹底的に明確するし、WHO/WHATが明確になったら、事業の成功可能性は格段に高くなります。
逆に、WHOとWHATと突き詰めないまま、いくら検討を進めても、事業は絶対に成功しません。
そのために使うツールが、「ペルソナ」や「ユースケース(=カスタマージャーニー)」というツールです。
このペルソナ、およびユースケースを、徹底的に具体化しつつ、有識者や実際の想定顧客にヒアリングして仮説を確かなものにしていきます。
最初の仮説は、最初のヒアリングで、ほぼ100%、間違っています。
そこから仮説を再構築するところが、新事業成功の勝負を決めるのです
3rd Step:事業計画の作成・承認
3rd Step では、検討したWHO/WHATを実現すべく、事業計画の検討に移ります。
下のビジネスモデル・キャンパス(BMC)を作成し、収益を試算し、ビジョン実現のロードマップを描いていきます。
ここで、BMCの基軸となる要素は、CSとVP、つまり2nd Stepで検討した WHO/WHATです。
事業計画の目的は「事業を始める」ことです。
精緻な事業計画をつくることが目的でなく、社内の承認を得ることが第一目的としましょう。
そして、ここで作った事業計画は、あくまでも最初の仮説です。実行を通じて、どんどん修正し、信じ魚を成功させていきましょう。
新事業開発の標準的なプログラムは、以下の構成となります。
もちろん、実際のプログラムは、会社のニーズや事業特性に合わせて個別に設計します。
STEP1: 検討テーマの設定は、各自が持ち寄ったアイデアの中から選択する。
ただし、会社から方針が与えられた場合は、それに従う。
STEP2: 顧客と提供価値は重要。顧客ヒアリングは必須とし、ピボットを繰り返していただく。
この段落で、中間報告を行うことも多い。
STEP3: 事業計画は、STEP2の検討が終了した時点から着手する。
また、作成した事業計画については、事業化・継続検討の可否を、役員に判断いただく。
その他の新事業創造のプログラム
弊社では、その他にイノベーションに関して、以下のプログラムを用意しております。
① 新事業提案(3ー6ヶ月)
選抜社員がチームを組んで、新規事業のアイデアを出し、その中から実現可能性と事業化ポテンシャルの高い事業について、フィージビリティ・スタディを進め、具体的な事業計画を策定するプログラムです。
新事業開発プログラムの基本形といえます。
② 新事業探索(3−6ヶ月)
数多くの技術シーズを持っている会社(研究所・研究機関)が、自らの技術シーズを事業化に結びつけることを検討するプログラムです。
この場合、まず個々の技術シーズを洗い出し、そのポテンシャルを市場ニーズやトレンドなどから精査・評価し、有望なものについてフィージビリティ・スタディを進める形になります。
③ 新事業公募プログラム(3ー6ヶ月)
事業公募制度のしくみの設計から、公募・審査・事業化サポートといった運用までします。
④ 新規事業アイデアの評価 (1日)
提案された事業アイデアに対して、顧客の視点および、投資家の視点から評価します。
事業アイデアを持つ個人有志が参加し、自分のアイデアが顧客や投資家からどう評価されるか、またリアルな事業にするためにはどうすればよいのか、といったツボを学びます。