未来シナリオの作成(シナリオ・プランニング)

シナリオ・プランニングによる、未来のチャンス獲得と危機の回避

シナリオ・プランニングは、未来のシナリオを事前に描き、それへの対処をあらかじめ考えることで、将来起こりうるであろう危機に対応し、また未来のチャンスを先取りする方法です。

「未来予測」でインプットした知識を元に、
・ 未来の変化が、自社の既存事業にどのような脅威となるか?

・ 未来の変化により、自社の事業をどのように進化・成長させることができるか?

を考えるのです。 

 

シナリオ・プランニングを最初に活用したのが、1971年と古い話ですが、石油元売り大手のロイヤル・ダッチ・シェルです。

当時、原油価格の長期予測がなかなか当たらないことに頭を痛めていたシェルは、不確実性を前提に、「需要増に見合った供給が確保される」シナリオと「供給不足になる」シナリオの2つの基本シナリオをベースに、6つのシナリオを策定。それぞれのシナリオの可能性や発生時の対策について検討しました。

そのひとつ、「中東が大きな発言力を持つようになって、石油危機が起きる」というシナリオが、1973年の第四次中東戦争による「オイルショック」で現実化したのです。

シェルは、想定した対策通りに、迅速に対処し行動し、同業他社が対応に苦慮する間に、業界での地位を確固たるものにすることができました。

 

このように、シナリオ・プランニングは、不確実な未来に対処するために、有効な方法です。

 

戦略策定に先立ち知るべき・考えるべき、未来シナリオ

シナリオ・プランニングは、以下の3つのステップに沿って、進めることができます。

内、最初の 1st step は「未来予測」のインプットをするパートです。

構想したシナリオを元に、戦略を創り、新規事業を考えるワークアウトを進めることにより、より未来の不確実性を踏まえたビジョンを構想・実現することができます。

 

2nd Step:事業のインパクト評価

外部環境の変化を理解・特定し、複数の長期シナリオを想定します。

ここで、変化する因子自体には、多くの研究者が議論を重ねてきたものです。これらを新たに調査することは避け、先達の知恵をメンバーが理解し、共有することを重視します。また、1st step での input も最大限に活用します。

 

これらの現在への脅威の因子と共に、「未来の機会」の因子を抽出・評価し、

政策・経済・社会・技術シナリオの前提条件を、複数(3つくらい)作成します。

こうした検討においては、どうしても現在の脅威の因子を先に考えがちですが、事業成長に向けては、未来の機会を考えることが大事です。

 

3rd Step:未来シナリオの構想

3rd Stepでは、設定した前提条件を元に、全体感をもって、かつ具体的に未来をイメージしてみます。

イメージする未来に正解は「ありません」。

頭をゆるめて、まずは好き勝手に「妄想」してみましょう。

シナリオ・プランニングは大事なのは、精緻な調査・分析以上に、実は「妄想」することなのです。

 

「変化の時代」には、今までの成功体験は通用しません。

「変化を直視」し、今までの成功パターンを「捨てる」ことが必要なのです。